トラックマン導入 その1

 今回はトラックマン導入の経緯について、書こうと思います。前回申し上げました様に、私は2022年7月から練習場の経営に関わる様になったのですが、それ以前に働いていた会社のゴルフコンペに行った時の話です。 スタート前の練習場でコンペ参加者のKさんが「うちの近所のゴルフ場で練習すると、ショットの内容が全部記録されて、何時でも携帯のアプリで練習内容が見れるんですよね。」と携帯の画面を見せてくれました。K氏によると、各打席にモニターが設置されていて、ショットのグラフィック軌道と飛距離などの数値データがモニターに表示され、更に表示されたデータは全てクラウド上に保存されていて、アプリを通していつでも見られるという仕組みだそうです。「へー、最近の練習場にはそんなのが付いてるんですか?なんて言う名前の練習場ですか?」と、既にその時にはゴルフ練習場をやる事が決まっていた私は、いずれ視察に行ってみようと思いKさんから横浜のゴルフ練習場の名前を教えてもらいました。横浜市旭区のスパークスゴルフクラブさんでした。

 大島ゴルフセンターに入社してから、練習場の弾道計測システムについて調べてみると、スパークスゴルフクラブさんが導入しているのはトップトレーサーレンジというシステムである事、またそれとは別にトラックマンレンジというシステムがある事が分かりました。両システム共に、大体できる事は同じで、どちらにも練習モード、ゲームモード、コースモード(シミュレーションゴルフ)が有ります。

 両システムで大きく違うのは測定方法です。トップトレーサーレンジは打席の屋根の上に設置したカメラによる光学方式の測定です。一方、トラックマンレンジは屋根の上とフィールドに設置するレーダーにより測定します。トラックマンの技術は、もともとはアメリカ軍のパトリオット(ミサイル迎撃システム)の開発でミサイル弾道を解析する為に生まれた技術だそうです。軍事技術なんて言われると、なんだかトラックマンの方が正確に計測できる様な気がしますが、もともとショットが正確に打てていない私レベルのゴルファーでは、どちらが正確に計測できているかは全く分かりません。トラックマンレンジはボールのスピンも一応測定しているという事なので、多少は精度が高いのかもしれませんが、測定結果はそんなに変わらないのではないかと思います。ただし、トップトレーサの場合は光学式なので、雪や大雨が降っている時は上手く計測できないようです。

 入社まもないある休日、早速スパークスゴルフさんに行ってみる事にしました。また、どうせならついでにトラックマンレンジにも行ってみようと思い、横浜近辺のトラックマンレンジを検索したところハンズゴルフさんがヒットしたので、帰りにハンズゴルフさんにも寄ってみました。

 スパークスゴルフさんとハンズゴルフさん、どちらも距離が大島ゴルフセンターの倍以上、200ヤードを超える大型の練習場です。私の場合はアイアンで打つと、絶対に向こう側のネットには届きません。その様な広い練習場で、ネットに届かないクラブを使っても弾道計測システムは大きなメリットがあると実感しました。と言うのは、そもそも練習場での目視による正確な飛距離の把握は次の三つの要因で不可能だからです。

 一つ目の要因は、目視自体の限界です。私の様にジジイになってくると、球の落ち際が良く見えない。また、例え良く見えたとしても、目印の近くに落ちない限り、落ちた所までの距離が良く判らいない。ましてランがどれだけ出ているのか全くわからない。特にランに関しては、最近多くの練習場で採用されている人工芝の場合、ボールがポーンと跳ね上がるので例え目視できても、コースの芝の上でどれだけランが出たかは全くわかりません。

 二つ目の要因は、レンジボール(練習場用のボール)とコースボールの距離の違いです。ほとんどの練習場はコースボールより距離は出なくてボールが高く上がらないのですが、安くて耐久性の高いワンピースのレンジボールを使っています。ボールのネット飛び出し対策として、ワンピースボールの中でも敢えて飛ばないタイプをチョイスされている練習場さんもいらっしゃいます。

 ハンズゴルフさんの様にツーピースボールをお使いの練習場さんもいらっしゃいますが、最近のコースボールはスリーピースやフォーピースが主流ですので、ツーピースのレンジボールと言っても一般的なコースボールよりは飛距離性能が劣ります。

 三つ目の要因は、ほとんどの練習場には2階打席、3階打席があり、これらの打席からは打ち下ろしになってしまう事です。2階や3階から打った方が1階から打つより、当然キャリーが大きく出るので、1階以外から打った場合は正確なキャリーがわかりません。

 以上三つの要因は、全て弾道計測システムが解決してくれます。

 弾道測定システムは、キャリーを正確に測定します。ネットに当たった球もネットから先のキャリーを独自のアルゴリズムで予測し算出します。ランの距離も、ボールの弾道、回転数(トラックマンレンジの場合)から算出します。

 また、レンジボールの測定結果をコースボールの値に変換します。これも、単純に何パーセントアップ、と言う訳ではなく変換率は弾道やクラブの番手によって変えている様です。

 打ち下ろし要因に関してはキャリー・フラット(ボールが打ち出された高さと同じ高さをボールが通過した地点までの距離)を算出するので、2階や3階の打席から打っても、1階で打った場合と同じキャリーの値が出ます。

 この様に200ヤードを超える大型練習場にも弾道計測システム導入の大きなメリットが有るのですから、100ヤードに満たず、3階打席のある大島ゴルフセンターに、弾道計測システムを導入しない理由は見当たりませんでした。私は本格的に弾道計測システムの導入の検討を開始しました。