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2024/04/12

PXG その4

前回お話しした通り、PXGのフィッティングスタジオでフィッティングをした結果、アイアン、ハイブリッド、フェアウェイウッドはピッタリとハマりましたが、ドライバーはシャフトや重量調整の関係もありイマイチ満足の行く結果がでなかったので、新しく出るドライバー、BLACK OPS(ブラック・オプス)の発表を待って、実際にBLACK OPSを試打してから判断する事にしました。

 年明けの112日にPXGの代理店を対象としたBLACK OPSの発表試打会がありました。その時点では大島ゴルフセンターは未だ正式に代理店にはなっておりませんでしたが、営業の方にお願いして私も参加させていただきました。

 アメリカ本社から来日した開発者のプレゼンテーションによるとBLACK OPSの特徴は以下の通りです。

l  独自のチタン合金フェース素材を用いた先進素材フェース(AMF)テクノロジーによって、インパクト時のフェースのたわみを増大し飛距離を大幅にアップ

l  軽量かつ高純度の素材を使うことにより、クラブヘッド内の重量配分の最適化に成功。重心位置を低く、後方に設定することで、飛距離とやさしさが向上

l  取り換え可能なウェイトはソール後方に12.5g(1個)、左右に2.5g(左右1個づつ、計2個)が標準装備されているが、ウェイトは2.557.51012.51517.5、グラムから選択できるため、個々のプレーヤに合わせて細かく微調整することも可能

l  慣性モーメントが高く、標準装備のウェイトでは今流行りの10K(ヘッド左右慣性モーメントとヘッド上下慣性モーメントの合計値が、10,000g・㎠に達している)には若干届かなないが、ウェイトの調整によって10Kにする事も可能

 という事です。要するに重心位置が低いので球は上がり易く、ロースピンで飛んで行くので飛距離が伸びると言う事。また慣性モーメントが高いのでの、オフセンターヒットでもヘッドがブレにくい為、多少芯を外しても飛距離のロスが少なく、曲がりも少ないと言う事の様です。プレゼンテーションでは、盛んに「寛容性」や「一貫性」と言う言葉を使っていましたので、一発の飛距離よりも、平均飛距離と方向性を重視したドライバーだと言えると思います。

 BLACK OPSのドライバーにはTour-1という上級者向けのヘッドも用意されています。ヘッドスピードが48/秒位の人がこれを打つとノーマルのBLACK OPSより飛ぶ様ですが、当然寛容性、打ち出し角、スピンレートはノーマルより低く、アベレージゴルファーには難しすぎる様です。

 実際PXGの契約プロの中でも、Tour-1の飛距離よりもノーマルの寛容性、一貫性を重視してノーマルをチョイスしているプロもいるぐらいなので、アベレージゴルファーはTour-1を選択枝から外しても良いかもしれません。

さて実際に打ってみた印象はと言うと:

l  掴まえに行ってもまず左には行かないが、掴まりが悪いと言う訳ではない。

l  慣性モーメントが高いのでバックスイングでフェイスを開くとインパクトで閉じにくく、右にプッシュアウトしてしまいやすい。

l  試打用のシャフトの中で一番軽いシャフト50g代のシャフトで打ったのですが、私のヘッドスピード(ドライバーで40/s程度)だとちょっとスピン量がすくなめ(2000回転/分 以下)。

というものでした。それまで使っていたゼクシオ12よりは掴まりも悪く、易しいという訳ではないのですが、シャフトの次第では、私でも充分使いこなせると思いました。何よりも、左へ引っ掛けるミスが殆どないので、所謂「左のミスを消せるクラブ」という訳です。左に引っ掛けるのを嫌って右にプッシュアウトというのは良くあるパターンなので、左のミスを消せると言うのは非常に大きな武器にあります。

 

と言う事で、全てのクラブを試打した結果、パターとウェッジ以外は全てPXGのクラブに一新する事にしました。ウェッジも一応試打してみましたが、私は以前お話した様にアプローチイップス気味で、少しでも易しいウェッジを使いたいので、今使っているものをそのまま使う事にしました。パターは半年ほど前に買ったばかりで、大変気に入っているので、試打もしませんでした。

 

PXGは代理店にはクラブヘッドしか卸しません。そもそもアメリカでは他のメーカーもあまりシャフトを付けてクラブを売る事は無い様ですが、日本でもPXGのクラブは代理店がフィッティングをして、お客様に合ったシャフトを別途仕入れて組み立て、お客様に引き渡す事になります。つまりPXGのクラブお販売する為にはクラブフィッティングをするクラブフィッターと、クラブを組み立てるクラフトマンを置く必要があります。

クラブフィッターは、当練習場に永年に渡り正社員の専属プロとして勤めていただき、昨年定年退職になって現在は業務委託でレッスンを行ってもらっている渡辺プロにお願いする事にしました。渡辺プロは、どういったスウィングにはどういったシャフトが合うか、またシャフトによって球筋やタイミングがどの様に変わるかを熟知しているので、フィッターにはまさに適任です。

次はクラフトマンですが、大島ゴルフセンターには以前、ゴルフショップに勤めていて、グリップ交換やシャフト交換を経験しているものが2名いるので、彼らにやってもらう事にしました。経験があると言っても、本当にプロのクラフトマンとしての仕事ができているかどうかは、素人の私では判断できないので、熟練のクラフトマンの方に頼んで、二日間に渡りみっちりと指導してもらい、客注に対応できるかどうか判断して貰いました。結果見事合格点を頂き、これで漸くPXGクラブの試打、販売を開始する体制が整いました!