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2024/02/18

トラックマン導入 その2

練習場社長のゴルフ雑感録

 横浜の練習場でトップトレーサーレンジとトラックマンレンジの体験をして、「100ヤードに満たない大島ゴルフセンターこそ弾道測定器を導入すべき」との思いを強くした私は、早速業者にコンタクトする事にしました。
トラックマンレンジはデンマークのトラックマン社の日本法人であるトラックマン株式会社が直接日本で展開しています。トラックマン社にこちらからコンタクトしようと思っていた矢先、タイミングの良いことにトラックマン社の方から営業の電話が有り、早速営業の方にお越し頂く事になりました。
トップトレーサーレンジは米国のトップゴルフ・キャロウェイ・ブランズ社が展開している事業で、日本ではGDO(ゴルフダイジェスト・オンライン)社がパートナーとしてゴルフ練習所への営業活動を行っています。GDO社にもコンタクトし、両社のシステムを比較検討する事としました。
結論から言うと、大島ゴルフセンターはトラックマンレンジを選択しました。前回でも言いましたが、機能的には両システムとも大きな違いは無いので、一番大きな決め手となったのはトータルコスト・収益性の違いです。
 トラックマンレンジは基本的には、練習場側がレーダー、サーバー、モニター等のハードウェアを自費で導入します。導入費用をリース料として5年間に渡り支払う事も可能ですが、リースと言ってもいわゆるファイナンスリースなので、実質は割賦払いによる自費での導入です。初期費用は練習場側の負担なので、ランニングコストはトラックマン社に支払う定額のライセンス使用料とサポート費用のみになります。
 一方、トップトレーサーレンジは、ハードウェアの導入コストを全額GDO社が負担してくれるので、練習場側の初期費用はゼロで済みますが、その代わり定額の基本料金(トラックマンレンジのライセンス使用料とサポート費用に相当)に加え、お客様がトップトレーサーレンジを使用する都度発生する従量制の使用料金をGDO社に支払わなければなりません。つまりシステムの所有者はGDO社。練習場側はそれをGDO社から借りて、使用に応じて料金を支払うという仕組みです。
5年間で見ると、両システムのトータルコストや収益性はあまり変わらないと思います。つまり、トラックマンレンジの初期投資費用総額とトップトレーサーレンジの5年間の従量制使用料金総額はほとんど同じくらいだと言う事です。従って、追加投資なしに5年以上システムを使用出来るとすれば、トラックマンレンジの方が、従量制使用料を支払い続けなければならないトップトレーサーレンジより圧倒的に割安なわけです。マンションは賃貸がお得か、購入がお得か?長い目で見れば購入がお得なのと同じ理屈です。
 導入コストがゼロで、資金が無くても始められるトップトレーサーレンジを選ぶか?
はたまた導入費用は実質全額自己負担だけれど従量制の使用料金が発生しないトラックマンレンジを選ぶか?これは非常に悩ましいところですが、当社は代々の経営陣の堅実な経営のお陰で比較的資金に余裕があったので、トラックマンレンジを選択しました。
トラックマンレンジの導入から既に1年以上経ちましたが、大島ゴルフセンターにとっては良い選択だったと思います。正直に言うと「やっぱり、トップトレーサーレンジにしておいた方が良かった。」と思った事もあります。特にトラックマンレンジのオープンの際には練習場側としては、オープニングのプロモーション、オープニングイベントの立案・準備、アプリインストールマニュアルの整備などに対する手厚いサポートをトラックマン社から受けたい訳ですが、オープンの準備はほとんど自分達だけでやらなければなりませんでした。
 一応カストマーサポートの担当者はいるのですが、その担当者はオープン前に2回来ただけで、一番忙しいオープン後最初の土日には、顔もださないどころか電話も繋がらず全く連絡が取れませんでした。因みに彼はその後一度も来ることなくトラックマン社を退職しました。勿論、後任を連れて退職の挨拶、なんてい言うのもありませんでした。
 GDO社の場合は、練習場がトップトレーサーレンジを導入しても、お客様が沢山来場して、なおかつ来場したお客様がトップトレーサーレンジを使わなければ一切使用料が入ってこないので、彼ら自身の売上げを上げる為にもオープニングを盛り上げ、沢山のお客様に来ていただいて、一人でも多くのお客様にアプリをインストールしてもらう必要があります。この点では練習場側と完全に利害が一致している運命共同体なので、オープンの際も万全の体制でサポートしてくれます。
トラックマン社の場合は、トラックマンレンジを売る事が彼らのビジネスなので、導入後トラックマンレンジが使われようが使われまいが、彼らの売上には直接的な影響は無いわけです。だからと言うのではないのでしょうが、オープン時のサポートに対する注力の仕方はGDO社とは比べるべくもありません。
 もともとトラックマン社からの、そう言った面でのサポートはあまり期待していませんでした。システムさえちゃんと動いてくれれば良いと思っていました。とは言うものの、オープンの準備を何もかも自分達だけでやらなければならなかったのには、いささか参りました。
 しかし改めて言いますが、トラックマンレンジを選択して良かったと思っています。それはシステム自体が大きなトラブルが無く、安定的に稼働しているからです。コスト、収益性を優先して選択したシステムがトラブル続きで、その上サポート体制も悪いと言うのであれば、まさしく「安物買いの銭失い」で大いに後悔するところですが、トラックマンレンジの場合は「安物買い」ではなく、「お得な買い物」であった事を、1年以上にわたる使用を通して実感しているからです。ですから「多少のサポート面の問題には目を瞑りましょう」と言うのが今の正直な気持ちです。
 最後にトラックマン社の名誉の為に付け加えておきますが、私がサポートが悪いと言っているのはカストマ―サービスの様なnice to have (有ったらいいな) のサポートの事で、システム自体のサポートの様な must have (絶対に無ければならない) のサポートが悪いと言っているのではありません。システムトラブルの対応は迅速に行って頂いています。特に当練習場の場合はトラックマン社の日本法人が入っているビルから2.5キロ程しか離れていないので、なにかトラブルが有ると直ぐに駆けつけてくれるので、大変助かっています。